2022年2月24日、ロシアのプーチン大統領がウクライナに軍事侵攻する決断をしてしまった。
ウクライナがNATOに属してしまうとロシアの安全保障がおびやかされるからだという。
ウクライナのことはウクライナ国民に決める権利がある。
残念ながらプーチン大統領には軍事侵攻する権利はない。軍事的な侵攻は武力、つまり暴力に頼ることで殺人行為になる.
精神分析家フロイトはタナトス(死の欲動)とエロス(性の欲動)という考え方を明らかにしたが、殺人はタナトスが他者に、自殺はタナトスが自分に向かう現象といえる。
軍事力の行使はタナトスが多くの人に向かう現象で拡大殺人、大量殺人になる。
実行する人間の心が進化している現象ではなく、心が退化している現象といえる。
作美アート[作品2-2]の「心の進化と退化10段階論」では、第1段階の最低の段階になってしまったのである。
人間の心は変われるので、上の段階に戻れないことはないが、かなり厳しくなってきてしまったといえる。
彼の決断は個人的な問題だけではなく、ロシアが経済封鎖になるなど、ロシア国民全体を苦しめることになる。
今後、ロシアが精神性の高い国家となり、精神性の高いリーダーが出現して、戦争という「醜」の状態ではなく、平和という「美」をつくれるようになることが望まれる。
目を転じて世界の国家のトップやリーダーを見ていくと、プーチン大統領にかぎらず、高い精神性をもった指導者が少なくなり(いなくなり?)、進化ではなく退化しているように見える現象が多くなっている。
北朝鮮や中国なども武力、軍事力に依存する傾向が強くなっていて、危険な状況になっている。
こうした状況の中で、これからの日本外交の基本ポリシーとしても聖徳太子の「和の精神(Wa Spirits)」は大切で、欧米とロシア、中国などとの対立を解決するには「和の精神(Wa Spirits)」を積極的に主張し実践して、貢献していくことが重要である。
この重要性を認識し真剣に取り組む政治家が、日本の与党、野党を問わず早く出現することが望まれる。
同時に、海外で活躍する日本人だけではなく国内にいる国民も「和の精神(Wa Spirits)」を再認識して、外国人に情報を発信していくことが必要になっている。
日本人を含めて人類全体が戦争という「醜」の状態ではなく、平和という「美」をつくれるように知恵をもち実践して進化していくことが大切なのである。 2022.2.27
講談社で電子書籍化されました。
『マンガ ユング深層心理学入門』石田おさむ
『マンガ フロイトの「心の神秘」入門』 石田おさむ=画、細山敏之=作、福島章=監修
『マンガ ダーウィン進化論入門』 瀬口のりお=画、田中裕=作、渡辺正雄=監修
『マンガ ニュートン万有引力入門』 石田おさむ=画、千崎研司=作、渡辺正雄=監修
『マンガ 誰にもわかる 人間アインシュタインと相対性理論』 山本キクオ―=画、千崎研司=作、渡辺正雄=監修