初めての人にもわかる
「真の仏教」入門
悩みを解決し夢を実現して、人生を充実させることに役立ちます!!

釈迦(紀元前463年頃~紀元前383年頃)は29歳で出家して6年間修行生活をした。
最初に2人の導師について瞑想をしたが、すぐに限界を感じてしまった。
その後、断食などの苦行を始めたが、また限界があることに気づいた。
ブッタガヤの菩提樹のそばで再び瞑想をし、35歳のときに悟ったといわれている。
しかし、意外なことに悟った内容を明らかにした経典や解説書はない。
本HPでは、釈迦の悟りとは一切が「空(くう)」=エネルギー=涅槃(ねはん、ニルバーナ)であることを明らかにしていきたい。
釈迦は悟った内容が人々に理解されないのではと思い、話さなかったといわれている。
そのためか現在でも真に理解されない状態が続いている。
詳細は、『ダンマパダ』や『スッタニパータ』、『般若心経』などの別稿の解説で述べる。
釈迦は悟った後、45年間インド各地をまわり、悩める人々に寄り添い対機説法をしながら法(ダルマ)=真理を説いたが、紀元前383年頃シナガラにて80歳で涅槃(ねはん)に入った。
釈迦はカビラバスト(現在のネパール、タライ地方)のルンビニーで、紀元前463年頃に生まれた。
父はスッドーダナ=浄飯(じょうぼん)王、母はマーヤー=摩耶(まや)夫人である。
生後7日目に母が亡くなり、叔母マハー・パジャーパティーに養育された。
16歳のときに従妹ヤソーダラーと結婚し、男の子ラーフラが生まれた。
跡継ぎができたので、29歳で出家した。
釈迦は出身部族の名で、釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)という呼称の牟尼は聖者の意味、仏は仏陀の省略で、「釈迦族出身の聖者で、この世の真理に目覚めた者」の意である。
ゴータマ・ブッダともいわれる。ゴータマは部族の別称で、幼名はシッダルダである。
釈尊と呼ばれることも多いが、これは釈迦牟尼世尊の最初と最後の文字に省略した呼称である。
釈迦如来といわれるときの如来とは、真理をえて衆生救済のために、この世に来られた方という意味である。
釈迦の出家の理由は、生後7日目で母を亡くしたことで死にたいする疑問をもっていたことや、人間の老いて病み死んでいく現象を見て、疑問をもったことなどが挙げられている。
釈迦が明らかにした真理の一つに、生老病死の苦しみは無明から生じるという縁起説がある。
無明から老死の苦までの因果関係の連鎖を明らかにしたものである。
構成要素(支)の数により、二支、三支、四支、五支、九支などいろいろあるが、十二縁起(因縁)説が有名である。
支を入れた十二支縁起という言い方もある。
釈迦は35歳で悟ったときに、十二縁起を順と逆に観じたという。
詳細は後述するが、ここでは、無明とは無知であることで、無知から苦しみ・悩みが生じ、また渇愛といわれる欲望があるので四苦八苦が生じるということなどを理解していただければよい。
四苦とは生老病死、つまり生きること、老いること、病気になること、死ぬことの四つの苦しみである。
生まれて生きていくこと、病にかかったり老いて死ぬまですべてが苦しみなのである。
それに、次の四つの苦しみを加えると、八苦になる。
愛別離苦(あいべつりく)=愛しあう者も必ず別れるという苦しみ。
怨憎会苦(おんぞうえく)=嫌な人とも会ったりしていかねばならないという苦しみ。
求不得苦(ぐふとっく)=求めたものが得られない苦しみ。
五蘊盛苦(ごうんじょうく)=五蘊とは人間を構成する五つの要素で、色受想行識からなる。
順に、物質、感受、思考、意思、認識で、それらが不調和になると苦しみが生じる。
四苦八苦を滅することができれば、この世から苦しみがなくなるわけで、釈迦は四聖諦(ししょうたい)を明らかにした。
苦諦、集諦、滅諦、道諦である。
苦諦(くたい)=苦しみの本質
集諦(じったい)=苦しみの生起
滅諦(めつたい)=苦しみの消滅
道諦(どうたい)=苦しみの消滅にいたる道
道諦は人生の悩みや苦しみをなくすための方法で、次の八つの正しい道、つまり八正道が明らかにされた。
正見(しょうけん)=正しくものを見る。
正思惟(しょうしゆい)=正しく思考する。
正語(しょうご)=正しく言葉を話す。
正業(しょうごう)=正しい行ないをする。
正命(しょうみょう)=正しく命を使う。
正精進(しょうしょうじん)=正しい目的に向かって努力をする。
正念(しょうねん)=正しく思念する。
正定(しょうじょう)=正しい禅定・瞑想をする。
八正道を最初からすべて一度にするというのは難しいであろう。
まずはできることからしていくのがよい。
最初に、「諸悪莫作(しょあくまくさ) 衆善奉行(しゅぜんぶぎょう)」、つまり「悪いことはせず、よいことを行う」(『ダンマパダ(法句経)』(183)という言葉を覚えて、心に決めて繰り返し唱えると、八正道を実行しやすくなる。
日常生活の中で決断していく必要性がある場合には、悪いことはせず善いほうに決めて実行していくと、人生の方向性が大きく変わっていく。
八正道にもとづく生活をしていき、何事にもとらわれなくなってくると、人々や社会に対して何か良いことが自分でもできないかと考えるようになり、新しい夢をもつことができるであろう。
そして、正しい精進、努力をしていくと成功できるのである。
現在でも犯罪をしてしまう人が絶えない。
犯罪する人を減らし、社会に貢献できる人間を一人でも多くしていくためには、仏教などの宗教教育をして意識改革をする必要性がある。
もう一つ重要な基本的な教えに三宝印がある。
諸行無常、諸法無我、涅槃寂静という三つである。
諸行無常(しょぎょうむじょう)=この世のあらゆる存在と現象は変化し続けていく。
諸法無我(しょほうむが)=それぞれの存在や現象には本来は我がない。
涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)=苦の原因となる無常や無我なる現象、存在を超越したときに初めて人間は心の静けさ、安定に到達できる。
なお、次の一切皆苦を加えて四宝印と呼ぶこともある。
一切皆苦(いっさいかいく)=真理に気づかないで執着するから、一切がみな苦しみとなる。
釈迦は45年間、人々に寄り添い、人々の悩みを解決していった。
釈迦は人類で初めての心理学者であり、臨床心理士、セラピストであったともいえる。
釈迦は宗教者として理解されているが、他の何かを信仰、信じることについてはほとんど何もいっていない。
ただし、自分と法(真理)を信じる大切さを説いている。
科学者のように法(ダルマ) =真理を発見し悟り、説いたのである。
ニーチェは「仏教は唯一の真に実証科学的宗教である」といったという(今枝由郎『ブッタが説いた幸せな生き方』岩波新書、2021年、113頁)。
別稿で述べるが、釈迦は人間と人生、自然を観察し、一切は「空=エネルギー」であることに気づき、苦しみの原因と解決方法を明らかにした人類で初めての科学者ともいえるようである。
釈迦の教えにもとづいて、広い宇宙、自然、社会の中で自分や人間のこと、自分が悩んでいることや苦しんでいることを考え直すと、自分の考えが狭かったことや誤っていたことに気づかされる。
同時に、どう生きていったらいいのか、方向性、道が明らかになり、夢ももててくる。
また釈迦の弟子がまとめた経典だけではなく、その後できた多くの大乗仏教の経典は、真の知恵を与えてくれて、われわれが仏陀(ブッタ)になる道を教えてくれているのである。
つまり、人生の真の生き方、成功への道である。
釈迦の教えは入滅後、紀元前1,2世紀のころから弟子によって文字化され原始経典がつくられ始めた。
原始経典は小乗経典ともいわれる。
釈迦が弟子たちに教えを説いた出家者たちのための教えで、上座部仏教、あるいは南伝仏教、小乗仏教などともいわれる。
原始仏教経典の全体を『阿含経(あごんきょう)』といい、『長(じょう)阿含経』『中(ちゅう)阿含経』『雑(ぞう)阿含経』『増壱(ぞういち)阿含経』、小部の5つに分けられる。
次の小部の経典が有名である。
『ダンマパダ』といい「真理の言葉」という意味である。『法句経(ほっくきょう)』と訳された。
最古の経典の一つで、最も多くの人々に愛読されているお経。別稿で説明をしたい。
『スッタニパータ』は「経集」の意味で『ブッダのことば』とも訳され、やさしく仏教の真理を説いた最古の経典の一つである。別稿で説明をしたい。
『ジャータカ』=釈迦の前世の物語を伝えたもの。
紀元100年~200年頃に、仏教はすべての衆生を救済しブッタの境地に導くべきではという大乗仏教が誕生する。
大乗経典は時間と空間を超越した釈迦牟尼仏、ブツタが在家信者のために法を説いた経典である。
インドから中国、朝鮮・韓国、日本へと伝わっていく。
日本の仏教は大乗仏教で、日本人が親しんできたお経は大乗経典である。
次のお経が有名である。
『大般若経(だいはんにゃきょう)』=大乗仏教の基本哲学である「空」の思想をといたもので600巻からなる。
『般若心経(はんにゃしんきょう)』=262字で「空」の思想をあらわしたお経で、多くの日本人に読まれて写経もされている。別稿で説明をしたい
『維摩経(ゆいまきょう)』=在家の居士、維摩が出家者以上に仏教者として活躍をする。
『法華経(ほっけきょう)』=大乗仏教を代表するお経である。誰にでも仏性があることが説かれている。聖徳太子、最澄、日蓮などが重視して、日本で最も多くの人々に読み続けられてきた。
『華厳経(けごんきょう)』=宇宙の本体としての毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)を説き、一微(みじん)の中に全宇宙が反映し、一瞬のなかに永遠が含まれるという「一即一切」「一切即一」の世界観をあらわしている。
『浄土三部経(じょうどさんぶきょう)』=『無量寿経(むりょうじゅきょう)』『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』『阿弥陀経(あみだきょう)』の三つからなる。西方・極楽浄土の教主である阿弥陀如来の本願力による救いを説いている。
『涅槃経(ねはんきょう)』=原始経典にもあるが、こちらは釈迦の入滅を語りながら、肉体的な死を超えたブッダの永遠の命を説いている。
密教経典は基本的には大乗経典と同じであるが、インドの民族宗教であるヒンズー教の教義や神々を大胆にとりいれた神秘的傾向の強い経典である。7世紀の中ごろにつくられた。
次のお経が有名である。
『大日経(だいにちきょう)』=密教の根本経典の一つで、密教修行の段階を説いている。
『金剛頂経(こんごうちょうきょう)』=密教経典の王者ともいわれる。聖俗合一を説く。
『理趣経(りしゅきょう)』=密教の極意、即身成仏の究極を説いている。
以上の大乗経典は日本の仏教には欠かせない経典であり、聖徳太子、南都六宗、最澄、法然、親鸞、日蓮、道元などによって重んじられて広められていく。
また密教経典は空海の真言密教や最澄の弟子による天台密教として広められていく。
それぞれのお経は知恵と慈悲などを教えてくれて自分の心の世界を広げて、悩みや苦しみを解決することに役立つ。
また新しい夢も与えてくれて、人生に成功するための「知恵の宝庫」なのである。
各経典の詳細は、あとで日本の各宗派の開祖について説明するときに、それぞれ紹介していく予定である。
注:上記のハスの写真(埼玉県行田市、「古代蓮の里」にて筆者が撮影)以外は、生成画像AI、MicrosoftのBing Image CreatorとAdobe fireflyで描いた絵です(以下同)。
なお、画像生成AIの体験記については、本HPの「聖空のニューアート」の「画像生成AIと描く一期一絵」をお読みください。
講談社で電子書籍化されました。
『マンガ 誰にもわかる 人間アインシュタインと相対性理論』 山本キクオ―=画、千崎研司=作、渡辺正雄=監修
『マンガ ニュートン万有引力入門』 石田おさむ=画、千崎研司=作、渡辺正雄=監修
『マンガ ダーウィン進化論入門』 瀬口のりお=画、田中裕=作、渡辺正雄=監修
『マンガ フロイトの「心の神秘」入門』 石田おさむ=画、細山敏之=作、福島章=監修
『マンガ ユング深層心理学入門』石田おさむ